2年目以降は、基本一人で作業をすることとなりました。

一人で作業を行うと、経験の無さを痛感することとなりました。

麹菌を室(むろ)で繁殖させる工程での見極めが非常に難しく、麹の温度が高すぎたり低すぎたりと苦戦を強いられました。

また、温度だけでなく香りや見た目でも判断を行うため、2年目の段階ではその判断を的確に行う事が出来ませんでした。

そこで3年目に取り入れたのが、麹の温度を測る為の温度計です。

今までも、室の温度・湿度を計る温湿度計は設置していましたが、麹の温度に関しては手の感覚に頼っている状態でした。

長い経験をもっていればそれで事足りるのかもしれませんが、経験が浅い自分には気温の低いときと高いときの麹の温度の違いを見極めるのが難しい状態でした。

また、味噌・麹を仕込む工房と住んでいる場所が離れているため、夜の間の室と麹の温度管理が難しかったのも、麹用の温湿度計を導入しようと思ったきっかけです。

導入した温湿度計は、アプリで麹の温湿度をリアルタイムで送ってくるので、温度が上がりすぎている場合や下がりすぎている場合に、アラームを鳴らすように設定しておけば、夜中でも気が付くことが出来ます。

麹15kgを1ロットとして管理しているので4つ導入し、ロット毎に温湿度の管理が行えるようになりました。

これはとても効果的で麹の品質が一気に上がり、導入前の一番良い出来上りの麹が、導入後は最低ラインの出来上りにすることが出来ました。

麹の仕込みに関しては、習ったやり方だけでなく、色々調べより良い工程を模索中です。

使用している麹菌の製造元の仕込み方法が、その麹菌には一番良いはずなので、そこに近づけるようにしています。